世界の航空会社9社が提携。地球上を広くカバー
デルタ航空とノースウェスト航空の合併により、新しいクレジットカードが生まれました。それは「DELTA SKYMILES/citi」。これまでシティグループから「NorthWest/citi」として発行されていたおなじみのカードが、今回の合併でDELTAブランドへと移行したわけです。
ノースウェストからデルタになったことで、カードフェイスのデザインも一新。無期限のマイレージサービスはそのままで、以前と同様、航空会社9社が提携する「スカイチーム」の路線でマイルが利用できるので、旅の選択肢は世界中に広がります。
もともと、「NorthWest/Citi WorldPerks」の頃から、世界を飛び回るビジネスマンに人気だったこのブランド。今回の合併によって、さらに人気が高まっています。 それは、航空不況と言われている中でノースウェスト航空の買収に踏み切ったことで、世界最大の航空会社となったデルタ航空への期待の表れでもあります。
デルタとノースウェストの合併で国際線はどう動く?
ノースウェスト航空がデルタ航空と統合―というニュースは、世界の空に大きな激震を与えたと言えるほどの出来事でした。この合併によって、デルタ航空は世界最大の航空会社へと成長したわけです。
この合併によって明らかになったのは、世界的にみても超大手であるデルタ・ノースウェスト両社ですらも、厳しい競争の渦の中にある、ということです。
特にリーマン・ショックやGMの破綻・AIG問題など、アメリカで超がつく大企業が相次いで苦境に立たされた2008年以降、大規模な不況が世界を取り巻いています。「どんな大企業がいつ倒産してもおかしくない」という状況下で、デルタ航空が規模を拡大したことは、デルタ航空にとっては今後の安心材料になってくるでしょう。
つまり、現在の世界経済、特にアメリカの経済にとって、「潰れない」ということは極めて重要なファクターになってくるのです。アメリカの国内消費者にとって、今や「破綻」というキーワードはひとつのトラウマ。「○○が潰れるかも」という情報で、国内の経済は大きく動き、トレンドは一気に大手他社に流れる、という潮流が出来上がってしまっています。
そういう潮流の中でのサバイバルに必要なことは、ズバリ「規模と安定」です。「あそこは大きいから大丈夫」という安心感が、今のアメリカには重要なのです。逆を言えば、その規模を保つための淘汰や吸収・合併は、航空会社に限らず、金融・保険などの業界でもしばらくは行われるだろう、デルタとノースウェストの合併はまだそのきっかけではないだろうか、と私は見ています。